大判例

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名古屋高等裁判所 昭和32年(う)121号 判決

先ず二の論旨につき按ずるに、刑法第二百十一条にいわゆる業務とは人がその社会的地位にもとづき他人の生命、身体に危害を及ぼす虞のある所為を継続的意思を以て行う場合をいい、必ずしもその主たる事務たることを要するものではないと解すべきところ、原判決挙示の証拠及び当審における事実取調の結果によると、被告人は本件当時津市内の遠山病院にレントゲン技術員として雇われ、原判示原動機付自転車(ホンダベンリ号、総排気量〇、一二五リツトル自重百十キログラム)を購入し、第二種運転許可を受けた上、これを通勤に常用していたものであることが認められるから、かような自転車の操縦はまさしく前記業務に該当するものといつて差支えなく、従つて原判決が被告人が右自転車を操縦して通勤途上必要な注意を怠り他人に傷害を加えた本件所為を以て業務上過失傷害罪を構成するものと認めたのは正当である。原判決には所論のような法令の適用を誤つた違法は存しない。論旨は採用できない。

(裁判長判事 吉村国作 判事 柳沢節夫 判事 中浜辰男)

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